スポーツのあなぐら

主に野球のデータ、ドラフトについて書きなぐるブログ。更新頻度は気まぐれ

根尾昂開幕一軍スタメンの是非

 
今年のドラフトの目玉の1人だった根尾昂は
4球団競合の末、中日への入団が決定した。
二刀流ではなくショート一本とのことで、ちょっと安心。

さてファンの中には、
かつてのミスター・ドラゴンズ立浪和義の再来を期待して
来年根尾の一軍開幕スタメンを求める人がかなり多い。
案の定といったところだが、
当時の監督だった星野仙一の薫陶を受けていそうな
与田剛監督の存在もそうした期待を高めているのだろう。
他には伊東勤ヘッドコーチが就任したことも、
ファンが妄想をたくましくする要因の一つになるかもしれない。
もっとも、ロッテ時代の2016年平沢大河を例に出すか、
西武時代の2006年炭谷銀仁朗*1を例に出すかは
その人の主張次第だろうがね。

では私個人の意見はどうかというと、
賛成はできない。
根尾の起用が当たって大物選手になったとしても、
チームが致命的なダメージを負う可能性があるからだ。
そう考えるのは、
他ならぬ立浪の成功経験に理由がある。

立浪起用に始まったドラゴンズの迷走?

以前出したのと同じやり方で、
1988~2004年の中日ショートを見てみよう。
今回は横に立浪自身のスタッツを入れてみた。

 

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立浪がセカンドへ移った後、
中日がいかにショートに苦労していたかがわかるだろう。

立浪の場合、
1年目のキャンプ中に右肩を痛めたのが尾を引いたそうだが、
無理に一軍で使い続けず完治させていればどうなっていただろう
とどうしても思ってしまうのだ。
その右肩痛の悪化とシーズン後半の不調の影響か、
9月以降は1週間以上スタメンを外れることもあった。
その時は山田和利が起用されている。
宇野勝が入らなかったのは、
セカンドで打撃好調だったので
それ以上負担を増やしたくなかったのもあるんだろうか。

立浪はショートからセカンド、
さらにチーム事情によって外野やサードに入るようになるが、
バッティングは1990年から2003年までで
リーグ平均を下回ったのが1年だけ。
安定して高い数字を残し続けた。

一方で中日のショートは迷走が続いた。
最初は若い種田仁がセカンドから回ったが
故障を抱えたこともあってか安定しない。
種田と同学年の鳥越裕介もバッティングが伸び悩み、
それ以外の選手もなかなか伸びてこなかった。
かの94年の10.8でショートに入ったのは立浪である。
李鐘範、久慈照嘉福留孝介
外国人、トレード、逆指名をフル活用した後に、
井端弘和が台頭し定着。
10年にわたる迷走にようやくピリオドが打たれた。

この後のショートも改めて出しておこう。

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一時期荒木雅博と井端の入れ替えもあったが、
長く安定していた井端と以降の苦戦ぶりがうかがえる。

1年目からショートで使い続けるデメリット

高卒1年目で開幕スタメンに抜擢された立浪は、
リーグを代表するセカンドに成長した。
全盛期は27歳でそれ以降はやや下降気味だったようにもみえるが、
97年からPFの低いナゴヤドームに移っていることを考えると
バッティングの全盛期は30代中盤まで続いていたとも見える。
驚異的な選手であり、チームリーダーであった、
ミスター・ドラゴンズと言っていいだろう。
逆にチームは立浪がセカンドに回らざるを得なかったことで
かなり苦労するはめになった。
1年目から故障を抱えながらの起用だったのを考慮しないといけないが、
長く活躍するショートの確立という点で言うと、
立浪の開幕スタメンは長期的には成功しなかったのだ。

今の中日ではどうだろう。
現在のスタメンはバッティングの全盛期がまだまだこれからの京田陽太
それ以外では守備型の堂上直倫しかおらず、
二軍は今年打席に立てなかったルーキーの高松渡以外ボロボロの状態だが、
高松と三ツ俣大樹、溝脇隼人に根尾が加わると余ってしまう。
一軍の水に慣れさせるために
根尾をある程度一軍に置くのはありなのかもしれない。
ただ、一軍スタメン固定となるとやはり負担が大きすぎるように思える。
しかも中日はキャッチャーの打撃が弱いから、
気楽な打順に置くことも難しい。
二番に置いてしまえば自己犠牲重視になって小さくまとまる可能性もある。
こういった怖さの方が先に来るのだ。

決断は来年になってから首脳陣が判断することなので、
今から我々がどうこう言える内容ではない。
我々に必要なのは、
スタメン固定のバラ色の部分だけではなくリスクを理解すること、
もし1試合でもスタメン起用されなかった時や
結果が出せないときに首脳陣を短絡的に叩くのをやめること。
このへんだろうか。

*1:立浪以来18年ぶりの高卒1年目開幕スタメン。以降は2011年駿太と2013年大谷翔平のみ

谷田成吾の2018年「指名漏れ」の考察

先日のドラフト後、
徳島インディゴソックスに在籍していた谷田成吾選手が現役引退を表明した。
日本シリーズがさっき終わったばかりだけども、
今回はこのブログの大半のアクセス数を担ってくれた
谷田選手の今年を簡単に分析してみたいと思う。

 

2018年アイランドリーグでの谷田成吾

4月の段階ではアメリカ挑戦を打ち出していた谷田だったが、
最終的には徳島へ入団することになった。

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四国アイランドリーグ(以下IL)でのOPSトップ10はこうなった*1
リーグ全体ではOPS6位、日本人選手では3位とまずまずの結果。
盗塁などの走力を考慮しないwOBA*2では
全体4位、日本人2位ともう少し上位につけている。

ただ、NPBのドラフトにかかるかと言われると、
このスタッツからも弱い点が2つ見える。
1点目は、今年ILからの野手指名がなかったこと。
ILの野手指名0は2年連続になる。
OPS、wOBAとも谷田を上回った福田健人も、
まだ20歳でマニアにはそこそこ知名度のあった妹尾克哉も指名されていないのだ*3
2点目はOPS全体1位と4位の2人、
ネルソン・ペレス(元阪神)とハ・ジェフン(元ヤクルト)だ。
NPB在籍中に活躍できなかった2人を
上回れなかったというのはちょっと痛かったように見える。
2人がNPBにいたのはそれぞれ28~29歳、26歳なので、
現在25歳の谷田とも近い年齢になる。

アメリカでの挑戦を続けていたら

なら、MLB球団とマイナー契約を結ぶことができなくても
アメリカにとどまり、
どこかの独立リーグでプレーすることができればどうなっていたか。
これは何ともわからないが難しかったと思う。
今年アメリカの独立リーグでプレーした日本人選手は、
投手だとシーズン途中にゲーリー・サウスショア・レイルキャッツから
別リーグのシュガーランド・スキーターズへトレード*4されて話題になった
久保康友をはじめ何人かいるが、
今後NPB指名の可能性がありそうな野手*5
自分の知る限りでは見当たらない。

一方で、
今年は吉川峻平をめぐる騒動とは別に、
日本人選手のMLB挑戦では画期的な出来事が起こっていた。
独立リーグの1つ、
ペコス・リーグでプレーしていたOkazaki Yuta*6が、
ブレーブスマイナー契約を結んだのだ。
彼は現在、AAAグイネット・ストライパーズに在籍している。
もっとも起用法*7を見ると
故障したか、日本のブルペン捕手に近い役割を担っているかのどちらかのようで、
将来のメジャー昇格を期待されているかどうかは疑問が残る。
これでわかるように、
Okazakiの場合は捕手であることが大きい。 そう考えると、外野手の谷田が
今年マイナー契約までこぎつけるのはかなり厳しかっただろう。

NPBドラフトのもう一つハードル

話をNPBのほうに戻そう。
どこの国のどの独立リーグにせよ、
もっと良い結果を残していれば日本からの指名はあっただろうか。
これもまた、非常に難しいことを示すデータがある。
最近のNPBでは25歳以上*8の野手は指名が非常に少ないのだ。
ここ11年の本指名で指名されたのは21人しかいない。
チーム別ではオリックス6人、ヤクルト4人が多く、
横浜、中日、楽天が3人、巨人2人となっている。
残る6チームは本指名での指名はない。
育成ではソフトバンクと広島も指名経験があるが、
あとの4チーム(阪神、西武、ロッテ、日本ハム)は
11年間に1人も獲得していないわけだ。

ちなみに投手は11年で54人。
野手の倍以上の人数が指名されている。
最も少ないのは巨人と中日の1人で次は広島と阪神の2人、
パリーグ最少のソフトバンクは今年の奥村政稔指名で3人になった。

話を戻すと、ポジションの内訳はこうなっている。

C 7
1B 1
2B 0
3B 0
SS 6
LF 1
CF 3
RF 3

21人中16人がセンターラインであることがわかる。
それ以外の5人では、
最後に指名されたのが2014年の井領雅貴(RF)と伊東亮大(1B)。
育成は大村孟(C)と坂本一将(SS)が2年前になる。

そして残念なことに、大成する選手が少ない。
大成と言えるのは大卒2年目でも指名を拒否した長野久義ぐらいで、
他には川端崇義、縞田拓弥、藤井亮太、戸柱恭孝、大城卓三、福田周平
といった名前はあがるが
大成と言うには弱い。
あとほんの少し前なら梵英心草野大輔
かつての超大物野手には落合博満辻発彦などもいるのだが、
どうしてもその数は限られてしまうようだ。
一般的な打撃の全盛期が近いので、
よほどチーム事情に合う選手じゃないと
ドラフト指名で二の足を踏むことも多くなるのだろう。

最後に

社会人の企業チームを退部して
アメリカや独立リーグを選んだのは、
育成指名でもいいからドラフト指名を受けたいという
意志の表れだったと思う。
「会社の大学の先輩などのように社会人野球のレジェンドを目指せばよかった」
「なんでまた渡米して独立リーグなどでもプレーしないんだ」
などと勝手なことを言われるかもしれないが、
このへんの事情は本人にしかわからないことだ。
外部の人間があることないこと詮索するのはやめにしようじゃないか。

谷田選手、お疲れ様でした。

*1:成績はIL公式HPから

*2:IL公式には盗塁死、敬遠のデータがない

*3:福田は23歳、ポジションは2人ともショート

*4:アメリカン・アソシエーションからアトランティック・リーグ

*5:NPB経験のない若い野手がいない

*6:日本語の情報がほとんどないため漢字表記ができない。27歳。
高校・大学はアメリカらしい

*7:3試合で3打席のみ

*8:ただし、実年齢や満年齢ではなく学年でのデータ。
高卒7年目、大卒3年目以上ということになる

2018年ドラフト全体総評

総評というかちょっとした考察。

 

1位抽選の運

今年は1位入札で大競合が続いたが、
3チーム以上の競合でセリーグパリーグに勝ったのは
2013年柿田裕太(外れ1位)以来5年ぶり、
最初の入札では2012年藤浪晋太郎以来6年ぶりだった。
78年以降の1位*13球団以上競合をまとめるとこうなった。

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「今年は逃げなかったから」というのは嘘で、
この5年間では有原航平、佐々木千隼と
セリーグ優位の抽選でもパリーグが勝利している。
それが今年はセリーグ優位の根尾昂が中日、
パリーグ優位の藤原恭大がロッテ、
同数の小園海斗と辰己涼介がそれぞれ広島と楽天
「珍しく確率通りに収まった」と言った方が正しい。
ここ11年のトータルではこう。

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セリーグの勝率は少し良くなったが、
負けの数も当然ながら多いので
運の格差を大きく縮めるまでにはいたっていない。

2018年上位指名の本当の特徴

今年の1位入札は史上初の高校生野手11チーム。
2位までの上位指名で高校生野手7人は
2008年以降はおろか、
予備抽選制から同時入札になった1978年以降で最多の数字*2だった。
ただし本指名全体での高校生野手は20人で、
ここ11年では最多だが歴代最多ではない*3ので注意しよう。

そんなことだから今年は「高校生野手が全ての年」、
あるいは「プロが俺の言うとおりに高校生野手を重視するようになった」
と思わせようとする人は非常に多いだろうが、
今年の上位指名はそんな単純な話ではなかった。

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大学生野手も上位指名が多い。
こうして全てがかみ合った結果、
今年は野手の上位指名そのものが非常に多い年になった。
今までも高校生、大学生、社会人のどれかの野手が多い年はあったが、
高卒野手と大卒野手の両方が多いことはあまりなかったのだ。
なお2番目のグラフは3位指名までのもの。
分離時代はこの数字を出せないので省いてある。

また、昔との比較をする場合に見ないといけないポイントがある。
最初は投手登録だった選手の野手転向だ。
最近の上位指名選手に対してはあまり行われなくなっているが、
以前は1年に0.75人ぐらいのペースで発生していた。
そしてその大半は高卒投手である。
プロ入りから数年後の野手コンバートと入団拒否を追加するとこうなった。

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これだと高校生野手最多は2002年*4の8人で、
7人以上は41年で7回目、
ここ11年でも2010年以来8年ぶりの数字ということになる。
今年は吉田輝星がよほどの重傷を負わない限りは
野手転向する上位高卒投手は出ないだろうから、
2002年の数字を上回ることはないと思われる。

投手は万遍なく減少した

野手の上位指名が多かったということは、
当然投手の上位指名が少なかったわけである。
それも、指名が多いととにかく叩かれる大卒・社会人投手だけではなく
高校生投手の上位指名も少なかった。
高校生野手以外に
高校生全体の上位指名も増やさせようとする人たちの
目論見通りにはいかなかったようだ*5

それだけ今年は、野手に比べて
投手に突出した選手があまりいなかった、ということになる。
高校・大学・社会人どれをとっても
例年より打高投低というわけではなかったのだから、
あとはその中でも突き抜けた選手の存在の問題なのだ。

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今年のような現象が生まれた一因と考えられるのは、
根尾昂に代表される投手もできる野手の増加ではないだろうか。
昔であれば「エースで四番」として全試合1人で投げていたような選手が
投手以上に野手主体で育成されるようになっている、
チームの中で最も身体能力の高い選手が
投手ではなく野手に入るようになってきた、ということだ。
近年、上位指名高校生投手の野手転向が減ってきたのも
これを裏付けてはいるように思われる。
その中でも特に今年は
有望株がプロで上位指名されることが多いショートに集まったため、
このような上位指名の増加につながったのではなかろうか。
もっともこの仮説もデータ的な裏付けはないので
本当に実態と合っているかどうかは定かではないのだが、
可能性の一つとして提示しておく。

上位指名の先鋭化説

他に要因として考えられるのは、
各チームの上位指名がその年の候補に合わせてより先鋭化している
ということだ。
約10年での平均をとれば安定した数字に落ち着くだろうが、
ここ2年上位で高卒野手の指名が多い一方で
「高校生野手の上位指名0」という
44年ぶり2度目の珍事が起こったのは一昨年*6である。
「各チームが高校生野手をやっと重視するようになった」
とは明らかに矛盾している。
「(高校生)野手を繰り上げてでも上位で獲らなければならない」
というような教条主義ではないし、
「自分の信仰にプロがようやく目覚めた」
と思っているファンや評論家がいたとしたら、
それは驕りか妄想の産物だ。

その他ちょっとした小ネタ

阪神の野手指名

今年の阪神は1位で外野手を徹底的に入札した後、
3位までが全て野手、4位から6位では投手を指名した。
統一ドラフトで阪神が3位まで野手を並べたのは1996年*7以来2回目。
また投手が全員入団する場合、
統一ドラフトで1位から野手3人指名したチームに投手が3人以上入団するのは
1996年ダイエー以来史上2例目となる*8

横浜の指名「バランス」

数を集計すると今年妙に面白い指名になったのが横浜。
高校生投手・野手・大学生投手・野手・社会人(独立)投手・野手の
本指名数がきれいに1人ずつ並んでいる。
2008年以降では2012年阪神以来2回目。
2012年の阪神は「バランスも非常にいい」と大絶賛されたが、
今年の横浜はどう評価されるか。
もし「バランスが悪い」と言われたら、
そのときは「1位藤浪、2位北條の上位高校生」と
「1位上茶谷、2位伊藤裕の上位大学生」の違いと考えるよりほかにない*9
まあ投打のバランスはいいが高校生5:大社2の日本ハム
「バランス取れた」と評価する評論家がいる時点でお察しだけども。

*1:93~00年は1位と同時入札の2位も含める

*2:77年以前の最多は分離ドラフトだった1966年。
統一ドラフトでは1965年と76年が7人で今年は史上3回目となる。

*3:1993年の逆指名制度以降では2000年、2002年に22人指名されている。
それ以前にはもっと多い年もある

*4:高井雄平、吉田圭がのちにコンバート

*5:ここ11年間では2008、09、11年のほうが多い

*6:のちに仲根正広と中井康之が野手転向している。
2016年は今のところコンバートされそうな上位高校生投手が見当たらず、
実質的には史上初になるかもしれない

*7:今岡誠関本健太郎濱中治

*8:ただしドラフト外入団は計算していない

*9:現状だと見当たらないのが救いだ

2018年ドラフト寸評

年代表は今回も野手だけ。
また、高校生と大学生は学年で当てはめているので、
早生まれの選手は全て間違いになる。
この点はあらかじめご了承いただきたい。

 

東北楽天

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1位は藤原を外した後に4球団競合の辰己を引き当て、
野手は全て大学生で固める形になった。
年代表では外野手が過剰に見えるが、
田中和基を考慮しても右中間に不安が大きいということなのだろう。
渡邊はチーム状況に合わせてのユーティリティ的な存在とも考えられる。
なお渡邊はHRがないが、今年のOPSは.895*1に達している。
投手はいつもの通り素材重視。
即戦力としては弓削の高梨化と鈴木の治療に期待か。

阪神

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1位では徹底して外野手に入札した阪神
結果的には走力の非常に高い近本の指名となった。
ショートは北條の脱臼回復に全てを賭けるわけにはいかないので木浪、
現状の二遊間が機能している間の次世代要員として小幡、
育成では今年バッティングが良かった片山と、
野手指名の意図は高校生乱獲よりしっかりしていてわかりやすい。
投手は4位まで残っていた齋藤に
18~19歳で最高球速はあまり速くない2人。
望月、才木で球速を伸ばすことに関してはかなり自信を深めたのだろうか。
それにしても、
今年橋戸賞を受賞した近本が「誰それ」と言われるあたり、
都市対抗というか社会人野球に対する世間の関心のなさがうかがえる。

千葉ロッテ

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野手は1位競合を制した藤原以外が松田だけ。
ずいぶん余裕を持っているなという印象はぬぐえないが、
年代表で空いた部分を埋めに行ったことはたしかだ。
外野から今年ショートを守る形になった三家を
来年はどうするか気になる。
育成も含めて7人指名してきた投手は大学生と高校生のみ。
大学生3人には即戦力の期待をかけていると思われるが、
未完成な部分や投げすぎの不安も大きい。
彼らが開幕から一軍に入るようだと後々つらい結果になるかもしれない。
高校生は二木や種市で味をしめたのか、改造と完治前提の指名。

中日

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真っ先に公言した根尾を4球団競合の末引き当てた中日。
そういえば中日の高校生ショートの抽選は堂上、高橋とやけに当たっているな。
来年はおそらく開幕から「立浪を見習え」と
根尾一軍ショートスタメン固定の声がやかましくなると想定される。
立浪がショートでは実働4年弱*2だったことはもう一度書いておこう。
それ以外の野手は、
一部のドラフト評論家が何が何でも上位で獲らせたがっていた石橋に大学生の滝野。
投手のほうは高校生、大学生、社会人1人ずつだが全員素材寄り。
例によって23歳以上の投手は極力獲らない方針のようだ。

オリックス

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頓宮のポジションが気になっていたのだが、
オリックスの公式では内野手になっていた。
チーム事情からいってサードもありうるんだろうか。
そして高校生ショートを1位指名まで使って3年間で4人も指名。
今のところ岡崎、廣澤とも打撃がかなり伸び悩んでいるので、
太田、宜保のどちらかでも伸びればショート以外での抜擢も視野か。
中川は4年生での不調を脱することが先決。
社会人投手3人はいずれも即戦力という位置づけなのだろうが、
不安定な部分もまだまだ多く見られる。
未完成なまま使いつぶすのは避けたいが、
数年かけても伸びない素材高校生を獲るよりはまし。
※頓宮裕真を入れ忘れていたので年代表差し替え。
一応現在も時々守っているファーストに。

横浜DeNA

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小園の抽選を外したが、ここは高卒2年目の知野で補った。
知野も2位で獲った伊藤裕*3も二遊間では守備がネックになる可能性があるが、
サードの後継候補も兼ねているのかもしれない。
キャッチャーは伊藤光、戸柱、嶺井をつなぐ間に
山本と益子が育つことを期待したい。
1位上茶谷はリーグでは今年1年安定していたが元々故障持ちなだけに、
1年目から一軍ローテ入りすると色々な意味で怖い。
チームの現状を考えると大貫に対する期待も相当高くなるだろう。
勝又は熱中症が連発した身体を癒す所から。

北海道日本ハム

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日本ハムが一番人気に向かうのはいつものことだが、
抽選を外した後が単独指名になる*4のは9年ぶりだった。
やけに知名度の高い投手は吉田に柿木と高校生のほうが完成度もやや高めで、
大学・社会人の2人は実績不足の素材型。
もし生田目が都市対抗の後に調子を上げているようなら、
来年は西村ぐらいの活躍が可能かとも思うが果たして。
一方の野手は本指名が有名すぎるぐらい有名な2人と田宮に、
ハム史上初めて行った育成指名がたしかにハムと縁のありそうな海老原。
最近はFA移籍に対応した補強ポイントよりも長打力を重視した指名が続くが、
新球場がそういう設計になっているということなのか。

読売

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2016年は野手1位から本指名6人が全員投手、
2017年は投手1位から本指名7人全員野手、
今年は大学生1位から育成指名まで9人全員が高校生。
3年連続外れ外れ1位とはいえ、
ずいぶん極端なのになぜか定形化した指名が続いている。
野手のほうはとりあえず20代前半~中盤が揃っているとはいえ、
ちょっと悠長すぎる指名になってしまった*5
投手はもっと大変で、
唯一の大学生高橋も即戦力とは言いづらい。
チーム投手成績は良くとも投手の頭数は危機的なだけに、
今年の高校生も2、3年で数人戦力にしないと大変なことになるだろう。

福岡ソフトバンク

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最初は野手2人を入札して外したあとは甲斐野。
リリーフで使うか先発に回すか、評価の分かれる選手だけに今後が注目される。
そして投手指名で極端な高校生路線をとっていたホークスが
今年は育成も含めて7人全員が大学生と社会人。
23歳以上投手の本指名も山中以来6年ぶりで、
高校生投手がほとんど育成できなかったことによる現状の危機感が見てとれる。
1年目からの即戦力と断言はしづらい選手がほとんどだが。
野手のほうは逆に4人全員が高校生で本指名2人は長打力が売り。
2年連続で高校生サードを獲ったことになるが、
来年は美間を絡めつつ下でどう使うのだろう。

東京ヤクルト

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本指名の野手から見ると、
長打力に特化した中山、濱田と守備に定評のある吉田。
将来的に中山と濱田のポジションがかぶりそうに見えるが、
それと同時に村上と廣岡のコンバートも断たれた形になっている。
ガチガチに固定した予想図通りの未来を作り上げることはできるだろうか。
吉田はセカンドにも入れるが課題はバッティング。
ここ最近の調子の良さをそのままプロで持続したい。
投手は今年もヤクルトらしい人選で、
一軍の現状を考えるととにかく実戦で鍛え上げることになりそう。

埼玉西武

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各チームが高校生野手競合に向かうのを見越しての松本一本釣り、
浅村FAとサード後継候補育成に照準を合わせた山野辺、佐藤龍の指名。
西武らしさが随所に出た指名と言っていいと思う。
高校生競合に向かうのが根本流と思わせたい人は不満かもしれないが*6
炭谷FAに牧野と育成の中熊で即対応するのはさすがに無理だとは思うが、
ここは頭数の確保を最優先にしたのだろう。
投手のほうは森脇が即戦力、渡邉と粟津は2~3年後に期待という目論見か。

広島東洋

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投手2人に対して野手が育成含めて6人と徹底的に野手を獲ってきた。
20代前半の野手が少なくなっていたので意図は読める指名。
投手が若手の伸びに対してかなり悠長なように見えるのだが、
現在の主力が耐用年数の限界に到達したときに
来年豊作と言われる高校生投手を入れて間に合うかどうか。
外野手は今年絶不調の正隨と今年絶好調の大盛という対照的な大学生2人。
驚かされるのが内野手で、サードの林はともかく
高校生ショートを3人も指名してきた。
二軍ではどうポジションを回して育成していくのだろう。

*1:東大戦を除いても.872

*2:高卒4年目まで

*3:3年までファースト

*4:2013、15、16年に外した時は外れでも競合した

*5:外れ1位で辰己を入札していて、全く危機感を持っていないわけではないのだが

*6:根本時代の78~91年西武では高校生1位入札が14年中3回で競合は清原だけ。
あと2回は単独指名で、高校生投手は1度も入札していない

高校生の成功率が低い理由を机上で考えてみた

今回の話はあくまで理論上の話であって、
具体的なデータなどは出てこない長い文章が続く。
それが嫌な人はブラウザバック推奨だ。

 

 

「高校生の成功率が低い」のはなぜ?

2018年のドラフト会議もいよいよ明日になった。
今年は昨年に引き続き高校生野手が大人気である。
一方で大学生や社会人の評価はすこぶる低いらしく、
中には「来年は高校生投手が当たり年だから今年は即戦力投手はいらない」
という声も結構な数見受けられる。
明日のドラフト後には、
毎年恒例の「高校生大量指名のチームは高得点」
「大学生・社会人中心、高校生少なめのチームは最低評価」の光景が、
例年よりもさらに先鋭化された上で
ほぼすべての場所で溢れかえることになりそうだ。

ところで、
「高卒選手は成功率が低いがモノになったときはでかい。
だからドラフトではとにかくスケールの大きい高校生を獲れ」とよく言われる。
しかし「高卒選手の成功率が低い」理由はなんだろうか。
こう聞いて返ってくる答えは、
「高校生の素質は見極めるのが難しいから」
「プロが安易に育成し、子ども扱いするから」
「使いやすい大卒・社会人選手ばかり起用しようとして我慢しないから」
これまでの様々な言論を見る限りでは、
おおむねこんなところだと思う。
そして彼らによれば、
「高校生を大量に指名して我慢強く使い続ければ成功する選手は増える」そうだ。
そりゃあ、高卒選手しか指名しないようにすれば
高卒選手だけが成功するのは必然
だろうけども。
さすがにそんな本音を言ってしまうのはまずいと思っているのかどうかはわからないが、
「成功率が低くても、指名数を増やせば
(成功率はそのままで)成功する選手の数が増えるはずだ」
と言うことのほうが多いか。

だが本当にそうだろうか?

本当の理由は何か?

だがもっと単純に、「高校生」の部分すらも外して考えてみよう。
ここで問題になっているのは「成功率」だ。
「成功率」は「成功した選手/指名された選手」で算出される。
ならこうは考えられないだろうか。
「高卒選手の成功率は低いんじゃなく、
これまで高校生の指名が多すぎただけじゃないのか?」
何のことはない、
分子の問題ではなく、分母の問題じゃなかろうかということだ。

これは、データを見なくても体感でも想像がつく。
高校生が多く指名された年に高卒の成功選手が多く出るという根拠はないし、
指名数が少ないのに成功者数が多い年、
指名数が多いのに成功する選手がほとんど出なかった年は
このブログでも以前いくつか挙げている。
また、これは大卒や社会人でも同じこと。
プロへ行っても成功しそうのにと思う選手も少なくはないが、
基本的には指名数が多くなっても成功者はほとんど増えず、
成功率はむしろ減っていくと考えられる。
どこで読んだかは忘れてしまったが、
アメリカのスカウトには
「有望な選手が多い年(年代?)でも大成する選手の数は変わらない」
という格言があると聞いたことがある*1
考え方としては、これに近い。

高校生・大学生・社会人の「理論的なバランスのいい指名数」

では高校生・大学生・社会人の「バランスのいい指名数」も
簡単に定義づけしてみよう。
この定義も使う人によって幅はかなり大きい。
単純な見方をすればそれぞれを1/3ずつ獲るのが理想となるはずだが、
一般的に大学生と社会人はひとくくりにされることも多く、
高校生:大卒・社会人=1:1を好バランスと看做す人はかなりの数いるだろう。
それどころか、以前マルハ時代の横浜の例で見せたように、
高校生が60%近く指名されるのが「バランス型」と考える人もいる。

では先ほどの理論に基づいた場合はどうなるか。
この場合の「バランスのいい指名数」は、
「高校生、大学生、社会人の『期待値』が同じ」
ではないだろうか。

そう考えた場合、
高校生、特に野手のほうは、
大学生・社会人より若干多めに指名しても問題はなくなるだろう。
ただし、その場合にも条件がある。
それは、大卒・社会人よりも早い段階で、
一軍スタメンとして高いレベルでの貢献が可能と考えられる選手を狙うことだ。
野手が全盛期に達する年齢は高卒・大卒・社会人で変わらない。
中には選手の貢献度を通算安打数に設定して
「これなら高校生を早くに固定させれば良い成績ではなくても通算安打数も増やせる」
と思う人もいるかもしれないが、
ここで必要なのは本当の意味で早い年齢から大活躍する
怪物的な選手のことだ。

しかも金銭の要素を見た場合、
同じ期待値の高卒と大卒・社会人の選手では
高校生のほうが高くつく
理由は以前書いたとおりで、
高卒選手が大卒・社会人より長くチームにいる間に支払われる年俸が、
彼らの契約金+1年目の年俸の金額の差分を上回るからだ。
チームとしても、
長い時間がかかりそうな高校生を闇雲に獲るのは
長期的視点から考えるとマイナスになる

一方、投手については、
先日の日経でDELTAの岡田友輔氏が
「高校生投手の成功率は低いが当たれば大物になりやすい」
と書かれていた。
おそらく過去のデータではその通りなのだろう。
成功率については今回書いた理由が考えられるが、
正直なところ「大物になりやすい」について
私は疑問を抱いている。
そして実際にDELTAと同じ分析結果から
高校生投手指名を重視して
失敗しかけたチームがあるように見えるのだ。
この点についてはいずれ書く機会を設けたいと思っている。

*1:これも正確な内容は忘れてしまった。もし知っている方がいたらソース込みでコメントしていただけるとありがたい

【再掲】2017年ドラフト総評

ニコニコブロマガにあげたものを再構成した。
当たっているところもあれば盛大に外しているところもあるのだが、
私はこういう見方をする、あるいはしていた、ということを示すために
恥をしのんであえて再掲しておくことにした。
また、2017年のぶんに関しては総評編のほうも一緒に載せることにする。

 

 


今年は点数をつけるのはやめにした。
なお私は、1ミリ先の18歳に飛びつく指名より
3年後、5年後のチームの将来を考えた指名を好む。
あらかじめご了承いただきたい。

ロッテ

昨年に続き外れでの大競合を山室社長が引き当てたが、
これなら別に最初から安田単独でよかったのではとも思ってしまう。
このあたりはくじ運への自信がなせる業だろうか。
将来のサード候補は現在も香月がいるが、送球に難が大きいとも聞くので
当面は安田が一番手での育成になるだろうか。筒香のようなコンバートもあるかも。
投手のほうはというと、去年までの指名とあまり変わっていないような。
社会人3人ではあるが素材重視の感が否めない。しっかり育てられるだろうか。
社会人でも野手の2人は現在のチーム状況に非常にマッチした選手。
特にセンター・キャッチャー以外どこでも守れる藤岡はかなり期待がかかるだろう。

ヤクルト

一般的な知名度でいけば、2~4位が独自路線、
その後に残っていた有名選手をかき集める形になった。
野手の指名は中村悠平の後継候補争いと長打力を狙った村上獲得に、
年齢層が限界を超えている外野の即戦力として塩見、
有望な若手は多いがまだ決め手を欠く段階の内野に宮本と意図は非常にわかりやすい。
一方で投手は、蔵本や金久保など制球難の選手を集めた印象が強く、
これで投手難が改善できるかというと、今までの育成実績からは厳しいように見える。
投壊の原因は尖った素材中心の指名にあると私は思っているのだが、
チームや大下にばかり目が行っている世間一般の評価はおそらく違うのだろう。
大下は大下で不安が大きいのだが、ここは私の評価が間違っていることを祈ろう。

日本ハム

このチームはくじ運のいい人と悪い人が両極端なのだが、
木田GM補佐はいい側だったようだ。
清宮は二軍の構成にはいまいち適応してないが、
今の二軍野手陣は清宮の次を狙った長期育成を見越すのも手だろう。特に今井。
そんな二軍の二遊間は相変わらず伸び悩みが顕著だが、
ここにあえて難波を入れるということは、平沼か渡邉を一軍に置くのだろうか。
難波という選択は非常に興味深いし面白いと思う。
投手指名のほうはいろいろな意味で日本ハムらしい。
今年の投手からは久々に長く活躍できる選手を育てられるだろうか。

中日

チームの意図を考えてみると、投手全体の年齢層が25歳前後に集中するため高校生。
野手はアスリート型の2人を獲ることで早めの一軍帯同も視野に入れられる、
と指名の意味は一応理解できないこともない。
しかし見方を変えれば最近獲得してうまくいっていない大学生・社会人と
同タイプを高校生で獲っただけととれなくもない。
野手陣は京田以外との年齢層が開きすぎ、
投手は石川もスタミナがつく前に使いつぶしそうで、
期待値のわりにギャンブル性が極端に高い、5年後のチーム構成が非常に心配な指名になった。
ここまでの指名をすると、もはやこのチームに必要なのは
落合前GMができていなかった選手育成の一元化ではないだろうか。
いっそのこと、今後数年はスカウト主導で指導してみてはいかがだろう。

オリックス

まずは抽選連敗脱出おめでとうございますと言いたい。
まさか福良監督で連敗が止まるとは思わなかったが、
ファンからのヘイトをため込むことでくじ運を引き寄せていたのだろうか、
2012年当時の阪神・和田監督みたいに。
田嶋は山岡に比べてて完成度はそこまで高くなく、それ以上に疲労の蓄積が気になる。
オリックスは最近、即戦力を即刻つぶしているので
2位の鈴木共々1年目から無理だけはさせないでほしい。
あとは野手主体。社会人ショート2人に高校生を投手含めポジション万遍なく3人。
そんな中で西村の捕手指名が気になるが、現在ライトでの出場が多い彼を
キャッチャーに戻して育成するということでいいのだろうか。

巨人

昨年が投手2人外して1位野手からのあと全て投手、
今年が野手2人外して1位投手からのあと全て野手。真逆の展開となった。
社会人捕手2人は4学年の年齢差があるので年齢バランスは釣り合いがとれている。
都市対抗で同じチーム(岸田が補強)だった2人の連続指名はちょっと笑ってしまったが。
他も岡本に全てを賭けるにはあまりに心もとない内野強化に将来性の湯浅と、
補強ポイント、年齢バランスはむしろしっかり押さえた部類だろう。やや過剰だが。
外野はたしかに少ないが本来必要なセンター候補が今年は少なすぎるので仕方ない。
ところで育成選手を3年連続で8人指名したわけだが、
現在育成枠はホークスとほぼ同数で満杯状態。
つまり少なくともこの8人の枠が空くまで誰かが切られることになる。
何度も言うが、大量指名を称賛する人はいい加減この点をちゃんと書いてほしい。

楽天

立花社長は2014年まででくじ運を使い切ってしまったのか、
これまで残りものに福があった社長のところまで当たりくじ自体が回ってこなかった。
野手は清宮、村上を外してなお長打力を極端なほど重視した指名になったが、
外野2人は両方育ったとしてもどちらかがDHに回る可能性もあるだけに、
今後の外野陣はオコエの完全な一本立ちがますます重要になりそうだ。
外国人野手3人体制だっただけに、この手の野手を獲りやすい状況でもあったか。
投手は今年も不安の大きい2人を中位以下で獲ったが、
果たして高梨のような即戦力化はできるだろうか。

横浜

抽選のリスクを考慮しての東単独は非常に理にかなった選択だった。
それ以外の投手は今年も素材重視の指名。そんな中、
斎藤には同じ順位で指名された同じチームの先輩三上と同じぐらいの期待がかけられそうだ。
2位神里は予想以上に早い順位での指名で驚かされたが、
筒香、桑原、梶谷の外野陣に故障や衰え等が起こった時の代役が足りない、
少なくとも乙坂、関根、細川では補えない部分を担うということなのだろう。
あとは今年ずっと外野にいた宮本と楠本の内野手指名が気になるところ。
本格的に内野に戻して育成していくのか、
それとも内外野問わないユーティリティ的役割を期待されているのか。

西武

野手指名は地元枠でもある西川に源田の後継候補として綱島とわかりやすい指名。
西川はとにかく大胸筋の回復が最優先だろう。
この回復具合で今後のドラフト戦略も幾分変わってくるはずである。
他にも若い外野の有望株2人にファーストの主砲もいて意外とハードルは高いが。
投手のほうはそれぞれ時間がかかる可能性が考えられる面々。
投手の育成がいまいちうまくない西武ではあるが、長い目で見ることも大事だろう。
たとえば何かと牧田と比べられそうな與座。
與座は大卒だが、牧田は26歳での指名だったことを忘れてはいけない。
それにしても、5年ぶりの抽選になった渡辺SDが今年は抽選を外し、外れ指名は単独狙い。
ここ最近の1位競合回避と単独狙いは、くじ運の是非も見極めて1位戦略を練る
根本陸夫の遺産を受け継いだものだったのかもしれない。

阪神

3連続でホークスと同じ指名をし、最後の抽選で
ようやく金本監督が当たりくじを引けるチャンスを得た、といった1位入札だろうか。
谷川のような投手は阪神にしては非常に珍しい指名と言えるが、
今年調子を上げてきた石崎も前評判のわりに3年かかっただけに
そこまで悠長なことは言ってられない状況ということか。
高橋や牧の素材がどれくらいのスピードで一軍定着できるかのほうが鍵になりそう。
野手は足と守備を重視する指名で、ポジションも補強ポイントにずばりあった指名なのだが
とかくギャンブル性を求めるドラフト評論家のうけは非常に悪いようだ。
ただ熊谷に関しては、このタイプの選手が2番打者という自己犠牲の鎖を外した時に
どう伸びていくのかも見てみたい。理想形は晩年期の宮本慎也になるだろうが果たして。

ソフトバンク

今年は今までになかった抽選3連敗、
工藤監督も楽天同様、2年連続で引き当てたことでくじ運を使い果たしたか。
その後の1位吉住は事前評価からすると驚かされたが、大卒投手2人も意外。
というのも、高卒以外の投手を本指名で2人以上指名するのは4年ぶりなのだ。
フォーム・体格に大きな特徴を持った2人なので即戦力として考えている可能性があり、
盤石と思われがちなチームの投手陣に危機感を持っていることがうかがえる。
最初清宮、安田を狙ったわりに野手指名が少なかったが、
欲しい選手はあまり残っていなかったといったところだろうか。
甲斐と上林で周囲からもてはやされがちな選手の輩出スピードをもう二段は上げたい。

広島

中村に関しては何も言うまい。キャッチャー2人体制になるか、
どちらか*1がコンバートされるかはわからないが、
中村と坂倉が2人とも主力に定着した将来が来ることを祈りたい。
もう1人の野手永井は体格に見合わぬ身体能力の高さをどこまで生かせるか。
当面の目標は松山の後継か?
一方の投手は薮田で味を占めたのがよくわかる高身長と速球のオンパレード。
問題はそこに制球難も付属している選手が大半で、
なおかつこのタイプが数十年にわたってあまり育っていない点。
最近伸びてきている両高橋とは元々の完成度がまるで違う。
高卒の多いリリーフ陣も意外と実働年数が長く彼らの疲労の蓄積が心配だが、
ファームにいる若手と今年指名の彼らで間に合うかが不安材料になる。

総評

今年は、「1位が外れも全て同時入札、逆指名なしの統一ドラフト」という
現行制度になってからちょうど10年目。
総評はその点を踏まえて今年の指名を数字で振り返ってみた。
多分に私の志向が反映されているが、
まあ気楽に読んでほしい。

上位指名を振り返って

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今年は清宮が7球団競合に加えて、中村2球団、外れ指名で安田と村上が3球団と
高校生野手の1位指名が続いた。
1位に高校生野手4人はここ10年で初めてである。
さて、上位指名ではそんな高校生野手ばかり目が行きそうだが、
より希少性が高かったのは社会人野手の上位指名。
全て2位指名ではあるものの上位指名の社会人野手3人はこの10年で初、
1993年(井出竜也波留敏夫三輪隆)以来24年ぶりの出来事だった。
逆指名でも社会人野手はあまり獲得されていなかったことがわかる。
実は制度の関係上、逆指名時代には高校生野手1位指名が珍しい光景ではなく、
4人以上の指名は2002年以来(西岡剛森岡良介尾崎匡哉坂口智隆)15年ぶりで、
逆指名・自由枠時代にはこの年を含めて計3回、
嘉勢敏弘が一時期二刀流だった94年を入れると4回になる。
上位指名3人未満も高校生野手は昨年だけである。

指名全体を比較すると

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全体で見ると、今年は昨年とは打って変わって野手重視のチームが多かった。
本指名の野手数は一昨年と並んで最多タイ、育成を入れると10年で最多だ。
その野手率の高さの原動力になったのは、こちらでもやはり際立っている社会人野手。
本指名が独立リーグの選手を含めて計15人、独立リーグを除いても13人おり、
社会人野手を今年乱獲した巨人を除いても9人いる。
その巨人も指名したのは有力候補と目されていた選手ばかり。
昨年解禁された選手も何人かいるが、
今年は社会人野手にも人材が多かった様子がうかがえる。

そんなふうに大量指名されたはずの社会人野手だが、
この表を見てもわかるように数は高校生野手と同じ。
本指名の指名野手を高校・大学・社会人に分類した場合の数は
高校生がこれで9年連続最多である。
ただしこれでもドラフト評論や高卒好きのファンにとっては、
高校生野手は冷遇されている存在とされているようだ。
また今さら冷静に考えてみると、高卒選手が主力になりやすいのは
そもそも高卒中心に指名されていれば数的優位で当然じゃないかということになるが。
この10年間のドラフトで変化してきた部分は少なからずあるが、
確率・期待値を極限まで無視した高校生・素材重視の評論とファン目線は、
10年どころか数十年たっても全く変わらない部分の代表格と言えるだろう。
むしろ最近はその傾向が再び強まっている感すらある。
次の項のように多少は納得できる理由もあるにはあるのだが、
一番の理由はやはり高校野球の人気とそこから作られる知名度なのか。

即戦力投手の向かう先

投手のほうを見ると、ここ2年は社会人投手の指名比率がかなり低くなっている。
それも今年は独立リーグの本指名も目立ったため、
相対的に企業チームの投手指名が減ったことになる。
その一方で噂程度の話ではあるが、最近目立ってきたのが大学生投手の順位縛り。
これらを総合すると、社会人チームも投手の獲得にかなり苦慮しているのかもしれない。
特にここ2年の社会人投手候補を見ると、
球は速いがプロ入り解禁年に入って調子を崩すか崩したままの選手と、
エース格としてかなりの結果を残してもいるが最速が遅い(145km以下)選手に
はっきりと分かれる傾向が見られた。
解禁年に調子を崩すケースには、大卒1年目では大活躍していたタイプも多い。
大学のほうでも高卒1、2年目の投手に対して似たようなことが言われているが、
同じような1年目での使いつぶしが社会人でも行われつつあるのかもしれない。
反面、プロの場合はそこからのさらなる伸びしろが重視される上に、
最近は高校生の段階から球速のインフレが起こっている。
こうした様々な要素が相俟って、
以前にも増した素材重視の投手ドラフトが行われつつあるのだろう。
単純にプロの指名数が増えてきたのも、
他のアマチームに選手が集まらない理由の一つと思われる。

ただし現状だとまだまだプロでもそこから先の育成が追いついておらず、
ルーレットで配当の倍率が変わらないのに赤黒ではなくひたすら一点賭けを行うかのような、
確率だけを下げるギャンブルに終始してしまっている感がある。
あえてえらそうな書き方をするなら、
私の即戦力投手志向を根本的に覆す画期的な投手の分析と育成手法が確立してほしい。
というかそうならないと、ここ最近指名された投手たちも
その持っている素材の力を発揮できないままユニフォームを脱ぐ結果になりかねない。

*1:場合によっては両方?

【再掲】2016年ドラフト総評

ニコニコのブロマガにあげたものを再構成した。
当たっているところもあれば盛大に外しているところもあるのだが、
私はこういう見方をする、あるいはしていた、ということを示すために
恥をしのんであえて再掲しておくことにした。

 

今回は初めて各チームに点数をつけてみた。
ただし目分量かつあえてどこも極端に辛口な点数にしてあるので
点数が低い(高い)からと言ってブチ切れないでいただきたい。

オリックス

55点
1位山岡に2位黒木。
田中や地元の寺島じゃなかったので批判されるだろうが、
山岡単独は充分おいしい。黒木も2位最初としては悪くない。
また野手指名は現有戦力のコマ不足を考えると悠長だが、
安達を大城や宗で補う間に宗と競わせる岡崎に若月・伊藤では不足な捕手で飯田、
杉本・武田がいま一つな外野に長打力も高い根本とその意図は一応理解できる。
一方他の投手は高校生が今まで育てられなかったタイプをまた2人、
齋藤や鈴木が一軍に上がったとはいえ
彼らも育つはるか前の段階で人員不足のために使われたに過ぎず、
ここは評価を下げざるを得ない。小林は悪くないが。
澤田は大学での疲労を抜いてもう一度自分なりの投球を作り出すところからだろう。

中日

55点
中日の歴史的な弱点は、高卒野手が少ないことではなく
高卒野手の輩出スピードが異常に遅いことにある。
大半の選手が一軍で使われながらも大卒社会人ぐらいの年齢になるまで活躍できないのは
落合時代どころか第二期星野、第一期高木時代からの伝統だ。
もしここで「ファン」が声高に主張する高校生偏重をしたら0点にするところだったが
さすがにそんなことはなかった。
準地元の吉川が先に指名されたこともあってか2位京田になったが、
この秋も結局3期連続OPS.600程度と相変わらず打撃が伸びないのは気になる*1
3年後ぐらいの堂上FA流出までに堂上ぐらいの選手になっていてほしいところ。
石垣は他の内野か外野に回ると思うので京田とポジションが被ることはないはず。
投手は柳以外時間がかかる可能性がありここをもう少し即戦力で固めたかったか。
柳入札にキレている人も多いかもしれないが、
5年後10年後を見据えたときにも即戦力投手の存在は極めて重要だ。

東北楽天

40点
2013年ドラフトの再現かと思うようなドラフトになった。
2013年の弱点は投手を指名しすぎたことではなく、
投手が未熟な素材型だらけだったことだ。
そもそも昨年あれだけ野手偏重指名をしたのだから、
今年と同じバランスでの指名をもう一年しないと「根本流」にはならない。
今年の1位藤平は周囲の指名状況を見据えれば結果良い指名だったが、
2位以下は実績少なく内容もそこまでではない池田に始まり、
四死球の非常に多い菅原、鶴田に今年あまり投げられなかった高梨、
球は速いが都市対抗では決め球を欠き当たれば飛ぶ印象の強かった森原と、
高校生以外も素材型ばかりをかき集めた。
彼らをうまく早急に改善できないとたとえ西口がいい選手でも苦しすぎる。
野手のほうは2人とも身体能力が高く楽しみな存在。
茂木だけでは苦しい内野手も獲ってほしかったが、
こちらはそれなりの評価を与えていいと思う。

東京ヤクルト

50点
高校生投手を獲れと耳にタコができるほど言われているが
赤川、菊池、藤浪、安樂と入札し続けてきた1位高校生投手大好きなヤクルト。
今年もその例にもれず寺島に入札、久々に単独指名に成功してまずは一安心か。
即戦力に近い存在だが、由規のような長期離脱だけは防いでほしい。
ただそれ以降の投手が素材型ぞろいでここも即戦力が見当たらない。
これだと寺島を壊す確率が一気に上がっていくので、そこが怖いところ。
大学生のうち星はまだまだ荒削りで体力も不十分、中尾が前評判以上ならいいのだが。
梅野はリリーフ希望とのことで、高卒を先発にさせたがるこの世界では珍しい存在。
ヤクルトは以前書いた通り高卒のリリーフ育成は良いものがあるので期待したい。
菊沢は高齢でもあり、かつての本間忠ぐらいやってくれれば。
古賀は山川が中村、西田と比べて打撃がかなり伸び悩んでいて、
数年後西田のようにチャンスが来る可能性は充分ある。

埼玉西武

50点
1位で獲った高卒投手が成長している
(というか1位クラスの高卒投手なら育てられる)最近の西武。
そこに自信を持ったのか1位は今井に来た。もちろん早くに出てくる可能性は高い。
ただ究極ロマン型の中塚はどうしても疑問に感じてしまう。本当に育てられるのか?
いろいろ噂も聞くが、この選手もまずは体作りからということになるだろうか。
投手は他に即戦力2人。この平井、田村は即戦力度もそれなりだと思うが、
ただでさえ投手数が少なすぎて序盤に実験的な運用をせざるをえなかった西武だけに、
豊田のようにいきなり壊してしまわないかは心配だ。
野手のほうは守備型の源田と身体能力に定評のある鈴木。
源田は俊足のわりに足をあまり使えておらず打撃もいまいちだが、
呉念庭との競争でどう磨かれていくか。

阪神

50点
阪神ファンや一部の評論家からも評価が極めて低い阪神だが、
佐々木はいけば単独だったものの、三振が取れるようになったのは今年の春からで
去年から素晴らしいという前評判に対して不確定要素がそれなりに高い選手。
ならば空いているサードで大学屈指のスラッガー大山にいっても何もおかしなことはない。
ただこれ以降はあまりいい評価を与えられない。
2位小野は直前に中塚を獲られた*2ための
報復指名ではないかと勝手に考えている。
春は悪いが秋はいい選手で、秋の内容をプロまで持続しつつまずはスタミナ作りからか。
他には思いのほか伸びてきた望月に味をしめたかのような高校生投手2人に
大山とポジションのかぶる糸原もちょっとなという印象。
糸原はセカンドでの起用も考えているのか?
高卒4年目の福永と3年目の藤谷はいかにも23歳以上をあまり獲りたがらない阪神らしい。
藤浪の負担が増える一方なのもマイナス評価とせざるを得ないか。
長坂は春絶不調のくやしさをプロでぶつけて原口、坂本と争ってほしい。

千葉ロッテ

55点
外れ1位でのまさかの大競合を制したロッテ。
佐々木もこれまで投げすぎのきらいは否めないので異変を感じたら休ませてほしいところ。
投手がかなり足りないとはいえ2位以下を2年連続投手で固めすぎているのが気になるが、
ロッテはこれまで酷評されてきた大学、社会人指名の野手たちが
現在の2年連続Aクラスの原動力である*3
来年前評判がよく年齢層的にも空いている社会人野手をうまく指名できるのなら
これはこれでありな戦略なのかもしれない。
ただ、伊東監督の求めた即戦力をしっかり獲れたかというと、
高校生2人にまだまだ素材型の土肥では不安要素のほうが大きい。
秋少し良くなっているという噂も聞く酒居に都市対抗はやや不完全燃焼だった有吉が
期待通りの力を発揮できるなら少しは投手起用も楽になるか。
宗接は実績が事実上4年春だけなのが気になるが、
それ以上に亜細亜大との26年ぶりの雪解けとなるだろうか。

横浜DeNA

55点
ファンや評論家からは酷評されることが多く、
その酷評に対して激怒するファンもいた。
地元出身の柳を外して最後濱口だったのが酷評の最大の原因だろうが、
特に5位以下でも有名選手を根こそぎ指名したのだからバッシングに怒るのもわかる。
いやむしろ「他球団が評価していない名前だけの選手をとった」のが酷評の原因ということか?
2位以下の投手からいくと、サイド気味の投手2人を指名したのが面白い。
進藤はサイドにしてから四球難に陥っているが、慣れてきたのか10月以降はまあまあ。
そのほか京山、尾仲と有名選手をそろえたが、細川の守備位置が気になる。
普通に考えれば外野だが映像を見てもNPBの表記同様投手でコールされている。
夏予選は打撃不調の代わりに投球が悪くなかったが、まさかの二刀流なのか。
他の内野手3人は二、三塁に宮崎、エリアンしかいないところで狩野なので
ショートではなくこちらでの起用もありうる。松尾は年齢が4年離れており問題ない。
佐野は外野かサードを守れるかどうかが一軍定着への鍵になるかも。
1位の濱口は気合は面白いがやはり四死球が多すぎ、三振率も岩貞、西宮より低い。
2ストライク後のストライクがなかなか取れずに外野深く打球が飛ぶシーンも多く、
もしかしたら新球種かフォーム改造まで着手する可能性もあると思っている。

福岡ソフトバンク

45点
今年は勤続疲労のたまったリリーフ陣がいいところで打たれ続け、
代役になりうる若手が全く伸びなかったのが3連覇をはばむ要因の一つだった。
というかリリーフですでに実績十分の千賀以外は高卒投手の伸びがあまりに悪く、
過去1位指名の松本、高橋もまだ2、3年以上先に期待したい選手。
その中にあって田中正義で即戦力補強を終了してしまったので低評価とした。
FAで誰かしら獲れるめどがたっているのなら5点プラスしてもいいのだが。
古谷もいかにもソフトバンクが欲しがり、かつ育成確率は現状非常に低いタイプ。
野手のほうは地元枠の九鬼に加えて
細身の素材型、パワーヒッター、身体能力型など育成枠も含めて面白い指名をした。
と最初は思ったが、後から考えると
余裕を持ちすぎではないかという気がした*4
金満球団だけに「チームから出ていく野手がいないはず」という前提もあるのだろうが。
また、野手をたくさん指名したということは、
今年三軍でくすぶっていた育成枠の若手野手がかなり解雇されることになるはずだ。
このあたり大量指名をただ称賛する評論家が絶対に口にしない
ドラフトのもう一つの悲哀
でもある。

読売

50点
1位の吉川は坂本の疲労と二塁がクルーズ、片岡、寺内、山本といった面々で
構成されていることを考えれば理解できる指名。
ただそれ以降投手を一人もとらなかったことで一般評価はかなり悪いようだ。
実際打線は慢性的に停滞しているが、ここは2008、09年指名と
2012~14年指名の高校生野手が伸び悩んでいるのが最大の原因。
今年の候補と今いる若手・中堅の育成とを天秤にかけて後者を選んだといったところか。
ただ畠(怪我が治れば)と谷岡はいいが、高校生2人に制球にばらつきの強い池田、
ルーキーリーグで暴投王に近かった廖と後半素材に走った感が強い。
池田は都市対抗の後が少し良くなっているようなのでそこに期待。
2位畠は今年春に三振率・四死球率・防御率などすべて
自己最高*5を記録したのにマニア評価ががた落ちしたという変わった選手。
怪我とともに春10試合77回を投げた酷使の疲労を回復することも重要かもしれない。
あとこの文面からもわかるが、彼が故障で離脱したのは春じゃなく秋だ。

北海道日本ハム

65点
田中、佐々木と外した後で左腕の堀は、今回は高校生だが日本ハム定番の選択。
このほか左腕3人がすべて高校生というのは評価しづらいところだが、
今年は大学・社会人の左腕がかなりの人材難なのでありではある。
怪我さえ治れば即戦力に近い高良*6の指名も高評価できる。
8位玉井は地元枠だろうが、飛翔癖がネック。
野手は、高卒野手をかき集めてきた日本ハムにしては珍しく大学生野手2人を指名。
石井は田中賢の後継と中島のバックアップで郡は身体能力も高い帝京枠だが、
森山と今井は去年の横尾に続き中田、大谷の流出に備えていることがわかる。
ただレフトライト限定の森山と一塁の今井ということは、
来年一塁専任の清宮にはいかないという意思表示でもあるのだろうか。
今井にサードか外野を守らせるなら話は別だが他に横尾・大嶋もいる。
森本と宇佐美は伸び悩みが顕著で、
今回の指名で彼らの去就がかなり怪しくなってきたとも言える。

広島東洋

50点
今年は圧倒的な力でセリーグを制したが、投打ともに固定メンバーでの戦いが続き
故障等でどこか一つ崩れると途端に瓦解しかねない危うさも持っているチームで、
そのわりに悠長な指名に終始したかなという印象はぬぐえない。
外れ外れになった加藤も即戦力というには直さないと厳しい部分が多く、
この中で早くに出てきそうな戦力としては高橋、床田に期待がかかるだろうか。
先日のブロマガに書いた通りこのチームはこれまでの固定観念にとらわれない
投手起用法をしているので、今回指名した高校生投手3人もしっかり
適材適所で起用法を見つけてほしいところだ*7
唯一の野手は高校生捕手の坂倉だが
今年の中心捕手はそこそこ若い会澤ではなく石原だった。
石原の後は現在の伸びを考えると会澤と昨年指名の船越が考えられるので、
坂倉はその次の世代を狙って多田とともにじっくり育成されることになるか。
なお床田のいる中部学院大は東海地区の岐阜リーグであって愛知大学リーグ二部ではない。
どこかの解説者が思いきり間違えていたそうだが間違えないように。

まとめ

いかがだったろうか。
これまでのブロマガや生放送、動画を見ている方ならお気づきだろうが、
私は「5~10年先の夢より来年~5年先の現実」を重視する傾向が強く、
選手を評価する際のボーダーラインが全体的に高めである。
そのため今年はどうしてもどこも辛口になり、点数もかなり下げることになった。
今年は一軍でも投手のスクランブル的起用を余儀なくされたチームが多い中で、
ここまで素材型投手に走った指名を、
それも投手が払底しているチームほど行うとは予想できなかった。
指名が有力視された大学・社会人で順位縛りが多くあったのかもしれないし、
豊作とはいえ本当に即戦力と言える投手自体は少なかったため
それなら半端な投手よりロマンに賭けたのだろうが、
今いる若手が未熟なまま一軍に上がって打たれるのとあまり変わらない気もしてしまう。
また体作りから改めてと思うような選手も多く、
育つ前に層の薄い二軍で酷使して壊してしまわないか非常に心配になってくる。
もっともドラフト評論家や若手好きのファンにはこうした
育てるための抜擢や酷使を推奨する人も少なくなく、壊れたときだけ
首脳陣批判をするので方法論そのものには疑問を持たないかもしれないが。
なので投手指名では全体的に低評価。
逆に野手は指名数が少なめなこともあるがその意図や運用も見えてくる指名が多かったので
おおむねここでプラス評価となった。

*1:最終節で大当たりしたため、4年秋は.800を超えた

*2:阪神は2014、15年と2年連続同じチームから1、2位を指名している

*3:2015年の平沢指名と言い出すおかしな人もいたが

*4:のちに書いた総評編でそう書いた

*5:しかも京大戦登板なし

*6:結局治らなかったのか、見込み違いなだけだったかはわからないが、
全く結果を残せないままわずか2年で切られてしまった。

*7:素人に言われるまでもないだろうが