スポーツのあなぐら

主に野球のデータ、ドラフトについて書きなぐるブログ。更新頻度は気まぐれ

「根本流」にない現実の根本陸夫の1位指名

先ほど故・星野仙一氏の1位入札と外れ1位を出してみたが、
もう一つこんなものを出してみた。
根本陸夫氏の時代の西武(1978~91)とダイエー(1992~98)である。

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どこが「根本は高校生重視」なのかと言いたい。
まず西武時代の1978~91年までの14年中、
高校生の1位入札はたったの3人(21.4%)
根本時代の1位入札は一番人気の選手に向かうか、
単独指名を狙うかのどちらかになることが多かったが、
その大半は大学生か社会人の指名に集中していたことになる。
その中で抽選を外した場合に高校生に行くことが多く、
全体では14年中高校生は7人となり、
ここだけを挙げれば高校生重視と思わせることが出来る、というだけである。
鴻野以外は1位後半、特にうち2回は12番目の指名であり、
残っていた選手との兼ね合いも見る必要があるだろう。

一方ダイエー時代については高校生が多いようにまた見える。
しかしこれも錯覚である。
特に逆指名時代からはその意味合いが簡単にわかるデータがある。
この当時は同時に入札が行われていた1・2位指名の、
チーム別の高校生数を見てみよう。

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93~98年の6年間の1位入札のうち、
高校生がダイエーより少ないのは巨人と西武の2チームしかない。
またダイエーは2位でしっかり逆指名を行使することがほとんどで、
計12人の指名中高校生がダイエーより少なくなったのは巨人と近鉄しかない。
1位入札、上位指名ともにダイエーの高校生率は
平均からやや少ないという程度にすぎない
のだ。
「根本は高校生重視」という「根本流」は、
とにかく高校生を指名させたい人々から生まれた幻想にすぎないのだ。

さて一般に喧伝される「ドラフトにおける『根本流』」には、
現実の根本陸夫が行ったものとは全く異なる「偽の根本流」が少なくない。
一応お断りしておくがこの「偽の根本流」とは、
雑誌の連載や書籍にもなった当事者へのインタビューをもとにした
根本陸夫の伝記のことではない
根本陸夫の戦略についてはその寝業などの裏工作的な部分は別にしても、
現代でも参考にできる点は多いのだが、
残念ながらその戦略は「偽の根本流」でゆがめられている節もある。
これもまたいずれ機会があれば書いていきたい。