スポーツのあなぐら

主に野球のデータ、ドラフトについて書きなぐるブログ。更新頻度は気まぐれ

大学野球の連投例

 

球数制限ガイドライン

先日、首都大学野球連盟が投手の球数に関するガイドラインを設けた、
との報道があった。
高校野球ではたまに議論される球数制限だが、
注目度が高校より極端に低い大学でこうした動きが出るのは非常に珍しいが、
一方でこれに追従するリーグはないだろうとも見られているようだ。

各紙の情報をまとめるとガイドラインの内容はこういうことらしい。

  1. 先発1戦目は球数制限なし
  2. 翌日の2戦目は、前日に121球以上投げた場合は50球まで。ただし投球中に50球を超えた場合、イニング終了まで登板可
  3. 1戦目で120球以下の場合は連投制限なし
  4. 中1日登板(雨天中止による連戦含)は制限なし

 

東京六大学の連投例

ところで、このガイドライン設定に対して
東京六大学と東都の事務局からは
「うちのリーグでは戦力が充実しているためこのガイドラインがなくとも連投はない」
という意味合いのコメントが出されていた。
本当にそうだろうか。
2017年の東京六大学公式戦から目についた連投をピックアップしてみた。
首都リーグも出せればよかったが、
あそこはそうしたスコアを掲載していないので仕方ない。

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なるほど、たしかにガイドラインに該当する連投は
10/7-8、10/23-24の宮台康平だけ。
しかもどちらも2戦目はイニング中に超えてしまったため
ガイドラインがあっても抵触しない、という可能性はある。

「よかった、東京六大学には無茶な投手の酷使はなかった。めでたしめでたし」
とはなるわけがないだろう。
ここに挙げたのは、
ほとんどがプロなら十分酷使に当たるものばかりだ。
中には連投、3連投によって、
ガイドラインの想定する球数の合計数170を超えているケースもある。
各合計イニング数もそれなりの数字に達しており、
選手への負担も大きいことは容易に想像がつくのだが、
これで酷使ではないと言い切れるのだからすごい。
というかこのガイドライン自体も
「連投は酷使だが中1日なら多投しても酷使ではない」という時点でおかしいし、
解釈の仕方によっては
「50球以上投げた翌日先発しても球数制限はない」
「121球未満でさえあれば何試合でも先発・連投が可能」
ともとれる。
とんちか。

勝ち点制がもたらすトーナメント式投手起用

このような投手起用が行われる理由として考えられるのは、
日程と勝ち点制の2点だ。
大半のリーグ*1は週2~3試合を2、3日連続でこなし、
その間は試合がなく4~5日空く。
しかも7~8週かかるリーグ戦で試合があるのは5週。
この日程のばらつきのため、多少の無理な連投も可能と考えるのだろう。

この日程に加えて勝ち点制である。
サッカーと違い、大学野球の勝ち点は2勝した方に1点が入るだけだ。
負け越しはもちろん、1勝1敗1分でも勝ち点は入らなず再試合になる。
初戦を落としたチームは2、3戦目を全力で獲りに行き、
初戦に勝ったチームは3戦にもつれたくないので第2戦もできるだけ獲りに行く。
大昔のようなエースが全試合完投するケースはほとんどなくなったといっても、
こうしたトーナメントのような連投は現在も続いているのだ。
そもそも首都リーグがこのガイドラインを設置できたのも、
勝ち点制をやめたのが最大の理由だと思う。
もし勝ち点制なら各チームの監督が猛反対するだろう。

そんなことを考えていて思い出したのが、
先日首都リーグに携わっているらしい学生がツイッター上でとっていた
大学野球の人気回復を考えるアンケート。
たしかその中に、
大学野球は勝ち点制でトーナメントより真剣味が足りない、だから面白くない」
という意見があったと記憶している。
現実の戦い方を見ると大学野球も実態はトーナメント戦に近いのだが、
こう言い出す人たちは何なのだろう。
他人のひたむきな努力や泥だらけになりながらのプレー、
ときに無理をして故障する様を見て感動する。
その結果選手が壊れてもそれは自己責任。
もちろん自分は一切リスクは負わない。
それが人間の性、ということかもしれない。

*1:4月上旬と10月下旬に試合がほぼ不可能になる北国(札幌、北海道、北東北)は別な形で日程が組まれることが多い。他には九州地区もリーグ戦の方法が異なる