スポーツのあなぐら

主に野球のデータ、ドラフトについて書きなぐるブログ。更新頻度は気まぐれ

アメリカ大学生投手の登板例

に、日本の大学生エースがどのような登板をしているか見たが、
アメリカの場合はどうなのだろうかと少し気になった。

というわけで、今回は2016年のカレッジワールドシリーズを制した
コースタル・カロライナ大学(サンベルト・カンファレンス所属)の
Alex CunninghamとAndrew Beckwithを見てみよう。
イニング数でいけば、Cunninghamは119 1/3回、
Beckwithは117回とそこまで多いわけではない*1のだが、
この年の同じ大学の選手がこれだけのイニングを投げたケースが他にないこと、
Beckwithがしばらくリリーフだったため、
アメリカ大学野球での投手起用のわかりやすい事例にもなることから
この2人を紹介させていただく。
なおCunninghamはこの年のタイガースからのドラフト指名(28巡835位)を拒否したあと
2017年にパドレスから再び指名(9巡258位)、
Beckwithは2017年にロイヤルズから指名(32巡960位)され、それぞれ契約した。

ではいっぺんに見てみることにしよう。

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大学の場合はロースター入りの選手をある程度絞ることもあってか、
アメリカでもリリーフ投手が長いイニングを投げることは多いようだ。
そのせいか、間隔が短いわりには球数が多い試合もちらほら見られる。
ただ少なくともこの2人は連投が1試合もなく、
中1日での先発登板もない。
そしてここには挙げなかった、
2人が登板しなかった試合は29試合ある。
2人の調子があまり良くなかったシーズン序盤はともかく、
両者とも主戦投手として投げているシーズン終盤でも登板しない試合は多く、
6月19日からのカレッジワールドシリーズでは
8試合中3試合を別な投手だけでまかなっている。
大会の形態が異なる*2のも理由の一つなのだろうが、
リーグ戦でも多くて5人程度、
全国大会ではどうしても1~2人のエースに頼りがちになる
日本とは大きな違いである*3

とはいえこうして例を出して比較すると、
改めて日本の酷使はなんとかならないのかと思えてしまう。
しかしこれを改善するには、
「酷使をしないほうがチームにとってもプラスになる」環境が必要だろう。
現在の各大学野球のリーグ戦が
エース投手を酷使せざるを得ない方式と日程になっている以上、
先発連投や中1日完投は無くならないだろうし、
リーグとしてもこうしたリーグ戦方式を採用せざるを得ない一面もある*4と思われる。
簡単に解決する問題ではなさそうだ。

*1:全米1位はアリゾナ大学のNathan Bannisterの142 1/3回

*2:大会ではダブルイリミネーション方式、準決勝と決勝は2戦先勝方式が採用されている

*3:運営側の意図(長い期間の大会ができない上に時期的に雨が多い)もあるのだろうが、日本のファンにかなり強いシングルイリミネーション信仰が存在している節も見られる。以前紹介した首都大学リーグへの勝ち点制批判もその一環と言えよう

*4:たとえば東京六大学と東都一部は神宮球場使用という伝統があるため、はたから見てもこれだけで改善は極めて困難なのがわかる