スポーツのあなぐら

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2018年の村田修一を比較する

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横浜、巨人に在籍し、
今年はBCリーグの栃木でプレーしていた村田修一選手が現役引退を表明した。
今年中のNPB復帰を目指していたが、
契約にいたる球団は現れなかったようである。

契約に至らなかった理由に関しては
各メディアやSNS上でいくつもの意見が飛び交っているようだが、
その中で「なぜか具体的な数字やデータを出したものがない」という意見を目にした。
これまでのNPBでの内容については
その道のプロにお任せするとして、
ここでは今年のBCリーグでのスタッツについて見てみることにしよう。
といってもこれまで村田が目指したような、
シーズン途中に独立リーグからNPBに移籍する選手は少ない。
私が記憶力不足なだけかもしれないが、
BCリーグからシーズン途中にNPBと契約した野手で挙げられるのは、
2010年に群馬からオリックスに行ったカラバイヨと、
2015年に新潟からヤクルトに行ったデニングだ。
ただ、2015年のデニングは18試合85打席と打席数が少ない。
今回は、今年の村田修一と2010年のカラバイヨの打撃成績を比較してみよう。

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まず成績とは別な点で気になるのが、
今シーズンの村田のポジションである。
少なくとも後期はDHでの出場が多かったようで、
サード守備についた機会が少ないのはマイナスポイントになる。

そして肝心の打撃成績は、
カラバイヨよりははるかに下となっている。
とはいえ、OPS1点台が悪い数字なわけはない。
これを見ると、村田が契約できないのはおかしいのでは、と思えてくる。

ただ、今シーズンは別な問題点がある。
BCリーグの打撃成績が以前に比べてインフレを起こしているのだ。
昨年2球団が加入し計10チームになった影響なのか、
ここ2年はリーグ平均打撃成績が大幅に上昇した*1
2010年のリーグOPSが.681なのに対し、
2018年は8月1日時点で.771となっている。
そこで簡単に出してみたのが表の一番右の数字。
単純に2人のOPSをリーグ平均で割っただけのものなのだが、
2人のリーグ平均からの突出度が大きく異なっているのがわかるだろう。
今シーズンの村田のスタッツも、
この点を考慮して多少割り引かないといけない状況になっている。
村田がNPB球団と契約できなかった理由には、
こうしたスタッツの違いがある可能性も指摘できるかと思う。
もしNPBのどこかで獲得しても、
DH・代打主体でリーグ平均を上回れるかどうか、といったところでは
ちょっと厳しかったか。

この部分は村田に限らず、
今シーズンのBCリーグのドラフト候補にも当てはまる。
今年は外国人選手中心だった昨年よりも
若い日本人選手の打撃成績が急上昇しており、
巷のマニアの評価もかなり上がっている節がある。
ただリーグ全体がやや打高投低になっている点は
気にとめておいた方がいいだろう。
昨シーズンNPBに指名されたのが、
打撃成績ではリーグ平均を下回る10代の2人だけだったのも
気になる点だ。

*1:今シーズンが始まる前は去年だけの一過性のものと思っていたのだが、今年は打高投低の流れがさらに進んでいる