スポーツのあなぐら

主に野球のデータ、ドラフトについて書きなぐるブログ。更新頻度は気まぐれ

谷田成吾の2018年「指名漏れ」の考察

先日のドラフト後、
徳島インディゴソックスに在籍していた谷田成吾選手が現役引退を表明した。
日本シリーズがさっき終わったばかりだけども、
今回はこのブログの大半のアクセス数を担ってくれた
谷田選手の今年を簡単に分析してみたいと思う。

 

2018年アイランドリーグでの谷田成吾

4月の段階ではアメリカ挑戦を打ち出していた谷田だったが、
最終的には徳島へ入団することになった。

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四国アイランドリーグ(以下IL)でのOPSトップ10はこうなった*1
リーグ全体ではOPS6位、日本人選手では3位とまずまずの結果。
盗塁などの走力を考慮しないwOBA*2では
全体4位、日本人2位ともう少し上位につけている。

ただ、NPBのドラフトにかかるかと言われると、
このスタッツからも弱い点が2つ見える。
1点目は、今年ILからの野手指名がなかったこと。
ILの野手指名0は2年連続になる。
OPS、wOBAとも谷田を上回った福田健人も、
まだ20歳でマニアにはそこそこ知名度のあった妹尾克哉も指名されていないのだ*3
2点目はOPS全体1位と4位の2人、
ネルソン・ペレス(元阪神)とハ・ジェフン(元ヤクルト)だ。
NPB在籍中に活躍できなかった2人を
上回れなかったというのはちょっと痛かったように見える。
2人がNPBにいたのはそれぞれ28~29歳、26歳なので、
現在25歳の谷田とも近い年齢になる。

アメリカでの挑戦を続けていたら

なら、MLB球団とマイナー契約を結ぶことができなくても
アメリカにとどまり、
どこかの独立リーグでプレーすることができればどうなっていたか。
これは何ともわからないが難しかったと思う。
今年アメリカの独立リーグでプレーした日本人選手は、
投手だとシーズン途中にゲーリー・サウスショア・レイルキャッツから
別リーグのシュガーランド・スキーターズへトレード*4されて話題になった
久保康友をはじめ何人かいるが、
今後NPB指名の可能性がありそうな野手*5
自分の知る限りでは見当たらない。

一方で、
今年は吉川峻平をめぐる騒動とは別に、
日本人選手のMLB挑戦では画期的な出来事が起こっていた。
独立リーグの1つ、
ペコス・リーグでプレーしていたOkazaki Yuta*6が、
ブレーブスマイナー契約を結んだのだ。
彼は現在、AAAグイネット・ストライパーズに在籍している。
もっとも起用法*7を見ると
故障したか、日本のブルペン捕手に近い役割を担っているかのどちらかのようで、
将来のメジャー昇格を期待されているかどうかは疑問が残る。
これでわかるように、
Okazakiの場合は捕手であることが大きい。 そう考えると、外野手の谷田が
今年マイナー契約までこぎつけるのはかなり厳しかっただろう。

NPBドラフトのもう一つハードル

話をNPBのほうに戻そう。
どこの国のどの独立リーグにせよ、
もっと良い結果を残していれば日本からの指名はあっただろうか。
これもまた、非常に難しいことを示すデータがある。
最近のNPBでは25歳以上*8の野手は指名が非常に少ないのだ。
ここ11年の本指名で指名されたのは21人しかいない。
チーム別ではオリックス6人、ヤクルト4人が多く、
横浜、中日、楽天が3人、巨人2人となっている。
残る6チームは本指名での指名はない。
育成ではソフトバンクと広島も指名経験があるが、
あとの4チーム(阪神、西武、ロッテ、日本ハム)は
11年間に1人も獲得していないわけだ。

ちなみに投手は11年で54人。
野手の倍以上の人数が指名されている。
最も少ないのは巨人と中日の1人で次は広島と阪神の2人、
パリーグ最少のソフトバンクは今年の奥村政稔指名で3人になった。

話を戻すと、ポジションの内訳はこうなっている。

C 7
1B 1
2B 0
3B 0
SS 6
LF 1
CF 3
RF 3

21人中16人がセンターラインであることがわかる。
それ以外の5人では、
最後に指名されたのが2014年の井領雅貴(RF)と伊東亮大(1B)。
育成は大村孟(C)と坂本一将(SS)が2年前になる。

そして残念なことに、大成する選手が少ない。
大成と言えるのは大卒2年目でも指名を拒否した長野久義ぐらいで、
他には川端崇義、縞田拓弥、藤井亮太、戸柱恭孝、大城卓三、福田周平
といった名前はあがるが
大成と言うには弱い。
あとほんの少し前なら梵英心草野大輔
かつての超大物野手には落合博満辻発彦などもいるのだが、
どうしてもその数は限られてしまうようだ。
一般的な打撃の全盛期が近いので、
よほどチーム事情に合う選手じゃないと
ドラフト指名で二の足を踏むことも多くなるのだろう。

最後に

社会人の企業チームを退部して
アメリカや独立リーグを選んだのは、
育成指名でもいいからドラフト指名を受けたいという
意志の表れだったと思う。
「会社の大学の先輩などのように社会人野球のレジェンドを目指せばよかった」
「なんでまた渡米して独立リーグなどでもプレーしないんだ」
などと勝手なことを言われるかもしれないが、
このへんの事情は本人にしかわからないことだ。
外部の人間があることないこと詮索するのはやめにしようじゃないか。

谷田選手、お疲れ様でした。

*1:成績はIL公式HPから

*2:IL公式には盗塁死、敬遠のデータがない

*3:福田は23歳、ポジションは2人ともショート

*4:アメリカン・アソシエーションからアトランティック・リーグ

*5:NPB経験のない若い野手がいない

*6:日本語の情報がほとんどないため漢字表記ができない。27歳。
高校・大学はアメリカらしい

*7:3試合で3打席のみ

*8:ただし、実年齢や満年齢ではなく学年でのデータ。
高卒7年目、大卒3年目以上ということになる