スポーツのあなぐら

主に野球のデータ、ドラフトについて書いていくブログ。更新頻度は気まぐれ

10年前のドラフト(2008年)を今さら振り返る②チーム別

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前回に続いて、
今回はチーム別に結果を見てみよう。

 

セリーグ

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巨人

この年は高校生偏重指名を行った巨人。
大田は2015、16年に打席は与えられるも伸びず、
才能をようやく開花させたのは移籍後になってから。
橋本は地元で大田のように一花咲かせられるだろうか。
一方の投手は事実上高校生のみの指名で、
唯一伸びたのが笠原。
まあ何も言うまい。

阪神

抽選を二度外し、
その入札も外野、左投手、右投手と一貫しなかったことが酷評された阪神
だが、今年のように一貫して外野を指名してもやはり叩かれている。
「高校生を獲得できなければ叩かれる」が正しいようだ。
唯一の高校生藤井は夏の甲子園出場組。
さてその結果は、1位の蕭が活躍できなかったものの、
3位で指名した上本が思いのほかの出来。
今年もそうだったが、とにかく故障が多すぎるのが痛い。
西村が短命に終わったのも残念。

中日

落合監督が1位入札を大田から野本に代えたため、
社会人偏重の指名をしたと錯覚されているこの年の中日。
実際には本指名の半分以上が高校生だ。
1位の野本も、早くから期待された準地元枠の伊藤もいまいち伸びず、
岩田や小熊もなかなか活躍しきれない難しい年になった。
この3人が登板数のわりに実働年数が少ないのは、
毎年数試合に登板するが1年のある程度投げられる年があまりないから。

広島

地元出身の岩本は代打要員の年が多い。
他のチームもそうだが、
この時期は2011年以降に伸び悩む野手がどうしても増えてしまう。
大学時代から三振の多い長距離タイプなだけに、
ルール変更がかなりの向かい風になっただろうか。 こちらも地元枠の中田はイメージより実働年数が多くなかったのが意外。
好調が2年続かないのが傷になっているようだ。

ヤクルト

1位から4位までを高校生で固める高校生偏重の年だったヤクルト。
ただ赤川と日高は結果を残せたのが2011、12年だけ。
統一球の恩恵を受けた反面、
早くに出すぎて故障や不調を誘発した部分もあっただろうか。
ただ、逆に2013年から出てきた八木も2年しか持たなかった。
中村は優勝した2015年以降、バッティングの伸び悩みが顕著になっている。

横浜

2008年の横浜は順番的に大卒と社会人で固める年。
しかし全員が何とも微妙なラインになってしまい、
翌年1位指名の筒香が球界屈指のスラッガーに成長したことで
高卒至上主義の評論家にはむしろ歓喜の年になったとかならないとか。
最も良さそうな藤江が2011、12年中心なのも
厳しく評価せざるを得ないポイント。
早稲田大とは荒川事件以来の雪解けを果たしたとうわさされる年でもある。

パリーグ

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西武

単独指名の中崎は失敗に終わったが、
野上と浅村が大当たりだったこの年の西武。
11年後2人ともチームに残っていないのは運命と割り切るしかない。
坂田もそこそこの打席数が与えられていた。
浅村は一軍定着が2011年と早かったが、
2013年までのメインポジションはファースト。
一軍で最初からセカンドやショートに固定されていたら、
今頃ここまでバッティングは伸びていただろうか。
ちょっと気になるところではある。

オリックス

「この逸材を育てられなければ今後高校生投手は獲るな」とすら言われた
甲斐はものの見事に失敗。
しかしタイプの異なる西が大成功、
この年の高校生投手全体でもトップの選手に成長した。
オリックスは全体的に甲斐のような投手の指名が多いのだが、
西のようなタイプなら育てられるということが証明された形だ。
ただそれ以外の選手が全て戦力にならず。
なかなか強いチームにならない原因の一つと言えるだろう。

日本ハム

屈指の当たり年として知られている2008年日本ハム
野手陣はバッティングがいまいち伸びているとは言えないものの、
とにかく出場機会の多い3人がそろった。
この後の単独指名は特殊な展開になった2012年だけなので、
今思えば日本ハムの貴重な単独指名を見られる年でもあった。
投手は榊原と矢貫が短命に終わるも、
谷元が息の長い活躍を見せた。

ロッテ

1位では2年前に横浜指名を拒否した木村を獲得。
逆に2年前に日本ハムを拒否した長野には再び拒否された。
本指名はこれで2年連続投手偏重指名になり、
どちらも育成指名で野手は数人確保するも
このあたりから外野手の世代交代がさらに厳しくなっていった。
内野は一軍レギュラーが24、5歳に固まり、
そのさらに次の世代の要員も獲得しつつあったのだが…。
本指名が上野以外パッとしない代わりに
育成枠から西野と岡田が台頭したのはおもしろい結果。

楽天

外れ1位抽選で獲得した藤原は2009年の1年だけで終わってしまった。
中川や井坂も伸びずに苦戦を強いられたが、
6位指名の辛島が台頭する。
規定投球回は1年、100イニング以上も4年だけだが、
毎年先発ローテとしてそこそこの働きを見せている。
改めてみると野手は強打者の獲得を目指した指名ではあったようだ。

ソフトバンク

大田を競合で外した後は1位競合候補でもあった巽。
この巽や前評判の高かった立岡は伸び悩んだ。
しかしその状況を補って余りあるのが摂津。
先発としての全盛期が2011、12年頃になったこともあって
スタッツがすごいことになった。
最初に書いた「個人的には、実力なら1位」というのは摂津のこと。
証拠もないしいかにも後付けっぽく見えるが本当の話だ*1
実力では圧倒的に即戦力だったが、
指名当時26歳という年齢を考えれば5位まで残るのもやむなしか。
他には金、二保がリリーフでイニングを稼げる選手になっている。

*1:巷の指名候補に全く名前が出てこないのでプロ志望しないものと思っていた